一定期間の生産物のうち消費されなかった部分をいい、企業の設備投資、在庫投資、家計が行う住宅投資、国や地方公共団体が行う公共投資 (「国の財政」「財政政策」参照) に分けられる。


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1.投資のマクロ経済に与える影響

 図1から1955年以降の我が国の各投資の動きを見ると、設備投資は景気の山付近で伸び、谷付近で減少していることがわかる。このように、消費が景気変動の影響をあまり受けない (「消費」参照) のに対し、投資は景気循環に対して、その変動幅を大きくすることが多い。ただし、公共投資については、財政政策の手段となっていることから、谷付近で増加するなど設備投資とは逆の動きとなっている。

2.設備投資

 企業の設備投資は将来の収益を期待して行われる。具体的には(1)需要増が予想される場合、(2)技術革新があった場合、(3)老朽化に伴い更新が必要な場合、(4)労働力の節約等合理化を狙った場合などである。(1)に起因する投資を能力増強投資、(2)、(3)、(4)に起因する投資を独立投資という。独立投資よりも能力増強投資のウエイトが大きく、全産業で50%以上となっている (表1)。
 設備投資は供給力の増大をもたらすとともに、それ自体が需要を呼び起こす。これを投資の二重効果といい、その動向は経済成長と景気変動をもたらす大きな要因となる。能力増強投資は、一定の供給力が充足されると抑制されるため、景気変動と密接な関わりを持ち、独立投資は、企業が中・長期的な計画に基づき進めるため、景気変動の影響は少なく、安定して推移する傾向がある。
 近年、GDPに対する設備投資のウエイトが増加していることから、民間企業設備ストックの対GDP比率 (資本係数) も着実に増加している (表2)。このことは、我が国経済がより資本集約的になっていること、資本設備の生産性が長期的に低下していることを意味している。


3.最近の民間設備投資動向

 97年秋以降、(1)企業収益の悪化、(2)金融機関の貸し渋り、(3)企業の期待成長率の低下、(4)移動体通信の投資や企業の情報化投資の一巡といったことから、設備投資が減少していたが、2000年1〜3月期以降は、IT関連投資が牽引役となり、増加基調となっている (図2)。

4.住宅投資

 住宅投資のGDPに占める割合はバブル期に一時的な増加はみられるものの、その後は低下傾向にある。これは景気の影響以外にも、人口、世帯数の増加率の低下といった要因が大きい。
 99年以降、住宅金融公庫の金利引き下げや住宅ローン減税の政策効果から持家、分譲マンションの着工が増加しており、住宅投資が景気の下支え役を果たしている (図2)。

5.在庫投資

 在庫には、今後の需要を見込んだり、価格変動に対処するためなど、企業が計画的に行う意図した在庫と、需要が企業の予想販売量と異なった場合に生じる売れ残りなどの意図せざる在庫が考えられる (「工業」参照)。在庫投資は、景気情勢を反映して後追い的に動くのではなく、現実には在庫投資そのものが景気を形づくることが多い。
 民間在庫品増加のGDP成長率に占める寄与度 (「比率の見方・使い方」参照) の標準偏差 (ばらつきの程度、「平均と標準偏差」参照) を見ると (図3)、80年代以降ばらつきの程度は小さくなっており、在庫変動が実質GDPの変動に与える影響は縮小していることがわかる。その背景としては、POS (販売時点情報管理) 等の在庫管理技術の発達や生産工程における技術の進展、物価の長期安定に加え、産業のサービス化の進展 (「経済のサービス化・ソフト化」参照) 等が寄与しているものと考えられる。