1.国内経済における消費
民間消費支出は国内総支出の約6割を占め、その大半は家計の消費★、すなわち個人消費である (表1)。このため個人消費の増減が経済に与える影響は大きく、その堅調な推移は景気を下支えするが、消費の不振は景気低迷の原因となる。しかし、個人消費とともに景気を大きく左右する投資 (表の国内総資本形成) と比べるとその変動幅は小さく、比較的安定している (表2、図1)。
2.消費の動向
消費支出は景気変動に対し比較的安定的に推移するとはいえ、バブル崩壊以降は我が国経済の低迷状態を反映したものとなっている。逆にそのことがまた長期にわたる景気低迷の要因の一つともなっており、消費の回復が本格的な景気上昇のためには欠かせない。 しかし、97年度に民間最終消費支出が調査開始以来初の前年度比マイナスになる (図1) 等、近年の深刻な消費低迷は、通常の循環的な不況によるもののほか、家計にとって(1)経済構造の転換に伴う企業のリストラによる失業やこれまでのような賃金の上昇が見込めないことへの不安、(2)財政赤字の累積や社会保障制度の改革にともなう国民負担率★の上昇が予想されるなどの将来に対する不安、があるためであり、これらの不安を取り除くことが消費回復には必要とされている。
また、消費の長期的推移を平均消費性向★からみると、高度成長期にほぼ一貫して低下した後、73年の第1次石油危機を境に上昇に転じている。特にバブル期 (86年〜91年頃) には、株価や地価の急騰による資産効果 (「バブルの発生と崩壊」参照) が消費性向の上昇に大きく働いたといえる。しかし、バブル崩壊以降は、やや低下ぎみで推移している (図1)。
3.貯 蓄
貯蓄は個人にとっては将来の消費のために現在の消費を犠牲にするものであるが、経済全体でみると新たな投資すなわち生産設備の拡大、更新のために使われるものであり、経済成長の基盤となるものである。
我が国の家計の貯蓄率 ( 1−平均消費性向) は、先進各国と比べ常に高い水準で推移している (図2)。また我が国全体でみると、高度成長期には高貯蓄が旺盛な民間設備投資に回っていたが、近年では貯蓄超過★の状態が続いている。一方、アメリカでは消費意欲が旺盛で家計の貯蓄率が低いことから、貯蓄不足となっている。我が国の高い貯蓄率はアメリカなどの貯蓄不足をまかなう結果となっている。
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