第1次産業は採取産業、第2次産業は加工生産を行うもの、第3次産業はそれ以外のサービスを提供するものをいう。
2.産業構造の変化
産業構造は経済の発展に伴い変化することが経験則として知られるが、これに関する代表的な学説にペティ=クラークの法則がある。これは経済の発展に伴い、第1次産業から第2次産業、さらに第3次産業へと産業の比重が移るというものであり、この経験則は我が国にも当てはまる(図1、「経済のサービス化・ソフト化」参照)。
3.産業構造変化の要因
産業構造に変化を及ぼす要因としては、次のことが挙げられる。
(1)産業間の所得格差 … 技術革新によって生産性が高まると産業間に所得格差が生まれ、より高い所得を求めて産業間の労働力移動が起きる。第1次産業は第2次産業と比べて、技術革新によって生産が飛躍的に拡大する要素が少ない。
(2)需要構造の変化 … 所得水準が上昇すると消費構造が変化し、モノよりもサービスへの需要が増大する。
(3)国際関係 … 自国で生産するよりも外国で生産するものが安い商品は、輸入品が選択されることになり、その産業の国内でのウエイトは低下する。
(4)国の政策:日本の農業政策のように、政府による特定産業の保護育成政策が行われる場合がある。
4.産業構造の変化と経済成長
歴史的にみると、産業構造の変化は、経済成長の転換期と密接に関連している。
例えば、60年代の高度成長をもたらした要因の一つに農業から製造業へ、という産業構造の変化がある。60年の農業の労働生産性★(以下生産性)は製造業の6割程度であり、60年代を通じてその格差はさらに拡大した。
生産性上昇率の高い部門への労働や資本といった生産要素の移動は、我が国全体の生産性を高め高度成長を可能にした。
また、70年代以降はサービス化が進行し、第3次産業のウエイトが高まった。
第3次産業は一般に製造業のような大量生産が困難で、技術革新が進みにくいため生産性の上昇率は低い(図2)。サービス化の進行は、生産性上昇率を高めにくい部門に産業の比重が移ることを意味し、産業全体でみると技術革新のスピードを遅らせ、経済成長を鈍化させる恐れがある。
図3は、60年代以降の我が国の実質経済成長率を、資本・労働・広い意味での技術進歩を表す全要素生産性(TFP)★の3要素の寄与度に分解したものである。
TFPの寄与度は、製造業では各年代とも高いのに比べ、非製造業ではサービス化が進行した70年代以降に大きく低下している。これは、70年を境とした高度成長から安定成長への転換の一因を示すものとなっている。
とはいえ、最近のサービス化はIT分野の比重が増しており、それが産業全体の生産性を高めるもの、と期待されている。
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