国際間の相互依存関係の高まりから、国や企業等の経済主体が、あたかも国境がないかのごとく、地球的規模と視野で経済活動を行うようになることをいう。その実態は貿易や国際間の資本取引の拡大、及び労働力や経営資源の国際間の移動に表れる。


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1.グローバル化の背景

 経済のグローバル化は、世界の潮流となっているが、その背景としては、(1)輸送・通信分野の技術進歩による時間的・空間的距離の短縮、(2)規制緩和や市場開放など自由化の進展、(3)旧社会主義圏の崩壊と新興工業国の台頭により市場が世界的規模で拡大 (市場経済規模は27億人から55億人に一気に倍増) したこと、が挙げられる。また、今後は、(4)インターネットを代表とする情報通信ネットワークの拡大、(5)NGOの国際的な活動の活発化等が世界経済の一体化を促進すると考えられる。

2.グローバル化の概要

 企業活動のグローバル化には、大きく分けて5つの段階がある。第1段階は輸出、第2段階は海外販売網の整備、第3段階は天然資源、低廉な労働力、海外マーケットを目的とする生産や技術開発拠点の海外移転、第4段階は事業推進のために必要な経営資源の移転、そして第5段階は世界的規模での経営戦略の展開となる。企業が現地生産等の海外直接投資を増やし、多国籍化していくにつれ、モノ、カネ、ヒトの国境を越えた移動が活発化し、国境の制約が相対的に薄れ、相互依存関係が深化していく。
 現在は第5段階に進みつつあり、世界を一つの市場として各国の企業が激しい競争を繰り広げるメガ・コンペティション(大競争)が始まり、提携や買収など競争力強化を目的とした世界的規模での企業の再編成が進んでいる。国境を越えたM&A(企業の合併・買収)の急増、大型化により、世界の直接投資は、98年度には6,489億ドルと過去最高となっている(図1)。一企業内でも、部品供給と完成品組み立てを複数の国で分業する企業内貿易が、国際貿易に大きな割合を占めるようになっている。
 また、貿易の拡大、金融取引に関する規制緩和の推進、情報通信ネットワークの拡大により、世界の金融市場の一体化が急速に進展している。

3.我が国企業の世界的事業展開

 85年以降の円高を契機として、我が国企業の事業活動は一段と世界的展開を示すようになった。その一つの表れは、海外直接投資の増加である。
 我が国製造業の海外直接投資をみると、70年代から80年代にかけては、市場拡大戦略と貿易摩擦への対応が中心であり、80年代後半には、円高による国際競争力の低下を補うため、東アジアでの生産が拡大された。90年代には、輸出を海外生産に代替するだけではなく、自社の海外生産拠点からの輸入、海外メーカーへのOEM(相手先ブランドによる製品)による生産委託など、比較優位の原理を生かして国内需要も海外生産でまかなうという動きが活発化した。98年度の現地法人の売上高は、全産業で126兆6,086億円、製造業で50兆6,640億円となり、グローバル化の一つの目安である海外生産比率は、製造業で13.1%と、85年度のプラザ合意時の約4倍の水準に高まっている(図2)。
 また、近年の規制緩和の推進や企業経営の変化を背景に、金融・保険や通信、輸送機械などで大型のM&Aが増加し、対内直接投資が急増している(図3)。

4.課題と影響

 経済のグローバル化は、世界全体の資源の最適配分を促し、雇用の創出、技術移転など発展途上国の経済成長に寄与する等の利点があるが、一方国内では、産業の空洞化の不安もあり、国際競争力のある新分野の創出や国内向け投資の促進のために、一層の規制緩和や産業構造の転換、会計基準等におけるグローバル・スタンダード(世界標準)への対応が求められている。このような経済のグローバル化への対応の遅れが、今日の日本経済の停滞要因の一つといわれている。
 また、各国市場の相互依存関係の深まりから、一国の金融不安が世界中に波及する。こうした金融不安に対しては、一国の経済政策だけでは従来のような効果がないため、サミットG7(7か国蔵相・中央銀行総裁会議)における政策協調が重要となっている。