異なる通貨の間の交換比率をいう。レートの表示方法には、自国通貨1単位を外国通貨で表示する外貨建てと、外国通貨1単位を自国通貨で表示する邦貨建てがある。一般には、日本のように1ドル=100円と表示する邦貨建てが用いられている。


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1.外国為替取引

 外国為替取引は、異なる通貨の取引を意味し、銀行とその顧客(銀行以外の一般企業や個人など)との対顧客取引と、銀行相互の銀行間取引とに分けられる(図2)。
 対顧客取引は、貿易に伴う代金決済などのために行われる。一方、銀行間取引は、もともとこのような顧客との取引の結果生じた外貨の過不足を銀行間で調整するためのものであったが、市場が発達するにつれ、銀行は為替変動による収益を求め、自己の計算と勘定で、積極的に為替取引を行うようになった。
 なお、98年4月から「外国為替及び外国貿易管理法」の改正により、企業等銀行以外の者が銀行間市場に参入できるようになったほか、銀行を介さずに外貨決済・外貨取引ができるようになった(「金融システム」参照)。

2.為替レートの決定

 為替レートは、外国為替市場における通貨の需給関係によって決まる。
 通貨の需給に影響を及ぼすものとしては、貿易収支の動向や金利差などがある。
 たとえば、日本よりアメリカの金利が高ければ、日本の投資家はアメリカの債券などを購入しようとし、(アメリカの債券購入にはドルが必要なことから)円売り、ドル買い圧力が強まり、円安・ドル高要因となる。近年の為替レートは、このような金利差などに着目した資本移動の影響が大きくなっている。
 実際の日々のレートは、このほかに世界の政治・経済情勢、通貨当局による市場介入、市場での投機的思惑などの様々な要因が絡み合って形成される。
 長期的には、為替レートは各国経済の実態を反映し、経済成長率、失業率、物価など経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)の良い国の為替レートは、一般的に高くなる。

3.近年の円の対ドルレート図1

 近年の円の対ドルレートは、95年以降、日米の景況感格差等から円安が進行し、98年8月に147円台を記録した。その後、アメリカの景気減速やヘッジファンド(「世界の資金移動」参照)の経営危機への懸念、そして我が国の景気回復期待感から、円高傾向となった。

4.為替レート変動の影響

 為替レートの変動は、まず外国貿易を行っている企業に直接的な影響を及ぼす。たとえば、円の対ドルレートは98年8月の147円からわずか2ヵ月後の10月には110円台に上昇した。この場合、日本の品物を1ドルで輸出した場合の円の受取額は37円減少するので為替差損となり、逆に外国の品物を1ドルで輸入した場合の円の支払額は37円減少するので為替差益となる。
 そのほかの影響としては、たとえば円高の場合、(1)輸入品価格を低下させ物価下落の要因になること、(2)海外での日本製品の価格が上昇し国際競争力が低下するため、海外現地生産が進み、国内産業が空洞化すること、(3)海外旅行料金の低下、(4)外貨預金など外貨建て資産の目減り等が一般的にあげられる。
 短期間に大幅な円レートの変動があると、経済主体が大きな為替リスクを被ることになるほか、企業にとっては将来の生産コストや製品価格などの予測が困難になるなどの影響が生じるため、円レートの安定は経済・金融政策の重要な目標の1つとなっている。