情報通信に関する機器製造、施設建設、サービスなどを行う産業をいい、ITの普及とともに急速に成長している。


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1.情報通信産業の成長

 IT革命の進行による企業や家庭の情報化とともに、情報通信産業は急成長を遂げ、国内生産額は85年に卸売業を95年には建設業を上回り、98年には112.9兆円、全産業に占めるシェアは12.5%となった(図1)。また、同産業の年平均成長率は、80年から98年にかけて7.3%と各産業の中で最も高くなっている。部門別に見ると、情報通信機器製造、情報関連サービスの伸びが大きく、年平均成長率はいずれも10%を超えている(図2)。
 情報通信産業は、今後とも大きく伸びることが見込まれ、我が国の新たなリーディング産業として期待されている。

2.情報通信機器製造の動向

 近年の鉱工業生産の動向をみると、99年春以降の回復には、IT関連品目(図3注参照)の寄与が大きいことがわかる。
 パソコンの国内出荷台数は、98、99年度と2年連続で過去最高を更新し、今後も市場規模の拡大が見込まれている(図4)。これは、インターネット利用者の増大とパソコンのファッション化・低価格化により個人市場の規模が急速に拡大していることや、情報化投資の拡大(「企業の情報化」参照)による。
 また、携帯電話についても、生産台数は加入者数の増加等により年々増加を続けている(図5)。今後は、インターネット接続対応型機種や次世代移動通信システムIMT-2000等、単価の高い機種への買い替えが予想されている。
 これらの電子機器に組み込まれている半導体については、世界市場が99年に4年ぶりに過去最高額を更新するなど活況を呈している。今後、デジタル家電など需要が多岐にわたり、市場はさらに拡大すると見込まれている(図6)。

3.情報通信サービスの動向

(1) 情報関連サービス
 近年、情報関連サービスの中でも、インターネット関連ビジネスの台頭が著しい。対個人では、ポータルサイトコンテンツ配信ビジネス、対企業ではアプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)事業など、メーカーを含む既存大企業とベンチャー企業が競って多様なサービスを提供している。
 株式市場においても、IT関連企業というだけで内容に関わらず投資が集中する傾向が見られた。これは、我が国のインターネットビジネスがまだ立ち上がりの段階にあるためで、今後はこのような企業の間で選別、淘汰が進むものと思われる。

(2) 放送
 我が国の放送は、地上放送、衛星放送、ケーブルテレビ(CATV)の3つのメディアに大別される。近年、衛星放送では、96年にはCSデジタル放送が、そして2000年12月にはBSデジタル放送が開始されている。また、地上放送のデジタル化についても関東・中京・近畿の三大都市圏で2003年末、その他の地域については2006年末を目標に環境整備が進められている(図7)。
 放送のデジタル化により、チャンネル数の増加や画質の向上、双方向受信に加えて、高速大容量通信(ブロードバンド)が可能となる。この結果、通信と放送の垣根がなくなり、互いに競争する関係が生まれることとなる。
 このブロードバンド化に対応できる最も有力な通信インフラとして、CATVが注目されている。CATV業者は、その回線を用いた電話事業やインターネット・サービスなど事業の多角化を進めているが、今後のブロードバンド化に備え、企業の提携や合併が進むと考えられている。


4.基本的インフラ整備

 国内の基幹網は、99年4月に高速の光海底ケーブルJIH(Japan Information Highway)の運用が開始されたことで、高速の国際網との相互乗り入れが容易となり、本格的な高速ネットワーク時代を迎えようとしている。
 加入者網については、従来、電話回線を中心に構成されてきたが、近年のインターネットの普及に伴い、高速データ通信の需要が高まっていることから、FTTHデジタル加入者網(DSL)等、多様な加入者網サービスが始まっている。

5.インターネット接続サービス

 インターネット接続サービス市場は順調に拡大しており、これをインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の数でみると、99年末で4,011社と、過去1年間で800社近く増加した。また、アクセスポイント(端末とホストコンピュータを結ぶ中継点)は、96年から2000年で20倍になっている(図8)。99年2月から始まった携帯電話によるインターネット接続サービスは、契約数が飛躍的に伸びており、我が国のインターネット接続は将来的には携帯電話が主流になるとの見方が広がっている。
 また、インターネットが今後さらに普及するためには、インターネット接続料金の低廉化や時間無制限の定額料金制の導入が欠かせない。アメリカでは歴史的に住宅用の市内電話料金が定額制で、これがインターネットの利用を促進したといわれている。我が国でも、既に定額サービスが始まっているほか、多様な加入者網サービスの参加による接続料金の低下が期待されている。

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6.今後の課題

 現在、インターネットに関連した主要なITのほとんどはアメリカ企業の製品規格がデファクト・スタンダードとなっており、特定の企業が世界的に極めて高いシェアを占めている。我が国の技術開発力は、発明、新製品開発に関しては欧米諸国に比べて高水準とはいえないが、既存の技術を利用してそれを消費者のニーズに合わせて商品化する面において優れていることから、需要を拡大する余地はまだまだあると考えられている。最近の例としては、デジタル技術をカメラに導入したデジタルカメラは、世界の9割超の圧倒的に高いシェアを握っているとされる。また、インターネットへの接続機能を持つ携帯電話は、微細小型化技術と通信技術をうまく融合させた成功例である。これからもIMT−2000や全地球測位システム(GPS)を利用した位置情報システムや情報家電、液晶技術など、我が国が得意とする技術を組み合わせ、利用することで、さらに新しいビジネスモデルが生まれる可能性が高い。