同じ種類の統計数値の大小関係を比率の形にして表したものを指数という。







1.指数の種類

 指数は、(1)比較をしやすい、(2)異なる単位で計測したものを集計しやすい、といった利点から、経済統計の分析手段として極めて広く利用され、(1)数量の変動を示す数量指数鉱工業生産指数雇用指数など)、(2)価格の変動を示す物価(価格)指数消費者物価指数卸売物価指数など)、(3)名目金額の変動を示す金額指数賃金指数、輸出入金額指数など)に大別される。
 また、指数にはそれぞれ(1)個別指数と(2)総合指数がある。個別指数とは、個々の品目の数量または価格の動きを表す指数をいい、生産量や価格などを基準時における実績値で除して100を乗ずることで求める。総合指数とは、個別指数を統合したものの動きを表す指数をいう。

2.指数作成のポイント

 指数を作成する際のポイントは、いつと比較するのか(基準時)、どういう品目にするのか(採用品目)、その品目の重要度はどうか(ウェイト)、総合する際の計算式は何にするのか(総合算式)である。このうち基準時、採用品目、ウェイトを指数の3要素という。

(1) 指数の基準時
 指数の作成のために基準として選択される時点または期間を基準時という。 基準時の改定について我が国では統計審議会の答申によって「各指数とも統一的に5年ごとに基準時の改定を行うこと」となっており、「西暦年号の末尾が0または5の年を基準時とする」ことに決められている。現行の指数は、いずれも95年を基準時としている。

(2) 採用品目
 採用品目の選定は、全体の動向を代表できるものを選ぶ。ただし、基準改定時には、採用品目を見直し、その質的な変化など指数の代表性を検討する必要がある。

(3) ウェイト
 各項目の重要度の差異を計算上考慮した指数を加重平均指数といい、この重要度がウェイトである。例えば、物価指数では商品の取引金額または消費金額を、生産指数の場合は付加価値額または生産額をウェイトとしている。

3.指数の算式

 加重平均による総合指数の算式にはいくつかの種類がある。その代表的なものは、提唱者の名前をとったラスパイレス式パーシェ式フィッシャー式である。
 このうち、ラスパイレス算式は、基準時をウェイトとして加重平均して算出するものである。算出が容易なことから、日本の指数算式ではほとんどがラスパイレス算式で作成されている。

(1) ラスパイレス算式(数量指数の場合)

〔Σ=シグマ(総和):変数の個別値全部を合計すること、q0:基準時個別数量、qt:比較時個別数量、W0:基準時個別ウェイト〕


(2) 計算例表2

(1)

ウェイトの算定(生産額ウェイト)

鋼材のウェイト

=( 650千t×72千円/t )÷{ ( 650千t×72千円/t )+( 175千台×800千円/台) } =46,800百万円÷186,800百万円=0.25

乗用車のウェイト

=( 175千台×800千円/台)÷{ ( 650千t×72千円/t )+( 175千台×800千円/台) } =140,000百万円÷186,800百万円=0.75

(2)

個別指数(比較時数量÷基準時数量×100)
鋼材=(676千t÷650千t)×100=104.0
乗用車=(203千台÷175千台)×100=116.0

(3)

総合指数(加重平均法)
104.0×0.25+116.0×0.75=113.0


4.新旧指数の接続処理(リンク係数による切り替え)

 5年ごとの基準時改定などにより時系列でみた指数の連続性が絶える場合があり、これを時系列の断層という。このため、指数の連続性を確保する必要があり、その切り替え方法としてリンク係数(断層の大きさを示す係数)がある。例えば、基準年を改定したときに旧指数と新指数を連続させるため、同一時点を表す旧指数と新指数が同じ水準を示すことができるよう、旧基準指数にリンク係数を乗じて切り替え(切り替え後は、新基準接続指数)する方法である。
 新基準接続指数=旧基準指数×リンク係数

例:98年の平均指数を2000年基準に切り替える場合
 2000年基準の98年平均指数=95年基準指数×リンク係数